【インタビュー後編】ペルピンズ、“SNS”から広がる認知の輪「たくさんの人に彩りを与えられたら嬉しい」

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■家でずっと同じパートを練習して
■お婆ちゃんに「うるさーい!」って怒られていました(笑)


──先程からKAZさんのプロデュース力と時流の把握力に驚かされっぱなしです……。KAZさんがおっしゃったように、RIOSKEさんの圧倒的な歌唱力もお2人の強みの1つですよね。歌のスタイルはどう確立されたのでしょうか?

RIOSKE:『アメリカン・アイドル』っていうオーディション番組を家族で見るのが好きで、そこに出ている方の声真似や歌真似をしているうちに自分の歌い方が作られたのかもしれないです。

KAZ:オーディション番組って原曲にアレンジを加えたりするじゃないですか。僕も見ていたんですけど、そもそも歌が上手い人が素敵なアレンジをして歌うのがかっこいいんですよ。

RIOSKE:誰か1人のアーティストを真似て練習したというよりも、いろんな方を見て、いろんな勉強、練習をしてきた結果が今に繋がっています。例えば、YUIさんの「Good-bye days」のフェイクがすごくかっこよくて。Dメロの《できれば 悲しい》って音階の3個降り。それが初めはできなくて、掃除しながらずっと練習していました。それがめちゃくちゃ楽しいんです。ゲームをやっている感覚と一緒。そこからレベルアップしていって長いフェイクにも挑戦して。最初は音数が多くて聞き取れないんですけど、今では1回聴けばわかるようになりました。

KAZ:細かい練習方法で言うと、5音降りだったら言葉を当てはめるんです。「Butterfly」には6音降りがあるんですけど、「あ、り、が、と、う、ね」って言葉を当てはめて覚える。それを1つの母音に変えて「ありがとうね」って言うつもりでゆっくり練習していって、徐々にBPMを早めていくとできるようになる。

▲RIOSKE

RIOSKE:僕もそうやって練習していました。YouTubeでフェイクの部分だけをスロー再生して、何の音を歌っているのか確認したり。家でずっと同じパートを練習しているから、お婆ちゃんに「うるさーい!」って怒られていました(笑)。

──楽しみながらできるのも才能ですよね。そしてKAZさんはほぼ全曲の作詞作曲を担当していますが、楽曲制作する時の型はあるのでしょうか?

KAZ:まず、何をしたいのかを固めます。それがめっちゃ重要。どんなシチュエーションで歌いたいのか、ライブだったらみんなと1つになれる曲なのか、上手く聞かせたい曲なのか、歌詞を伝えたいのか。そういう目的をしっかり決めることから始めていきます。

──よく、画やMVをはじめに思い浮かべるという話は聞きますが、すごくロジカルに考えているんですね。

KAZ:例えば、「うまく歌を聞かせること」が求められている状態なのに、僕らの得意としないキーで楽曲を作ってももったいないというか。求められていることを正確に把握した上で、自分の好きなことを出していくのが一番良いと思っています。そういう考えで作っているからか、ペルピンズで作った楽曲は全部採用されているんですよ。毎回ハズレ曲がないのは、しっかり考えて作っているからなのかなって感じています。

──そこまでロジカルに考えるとなると、リリースするタイミングも重要になりますよね?

KAZ:まさに。なので今回リリースする『#1』の楽曲には季節性を持たせています。「Butterfly」をリード曲にしたのは8月にリリースするから。みんなのテンションが高い夏という時期に出すので、明るい曲調がいいな、と。「タイムマシン」は9月以降に特に聴いてほしい楽曲。ひと夏の恋が終わったり、少し暑さがやわらいで誰かに思いを馳せたりすることが秋から冬にかけて増えるじゃないですか。そして「Never Turn Around」は冬、という具合いに8月からペルピンズを知ってもらって、冬にかけて長期的にプロモーションができるようにしました。普通、シングルを出した後にそれを集めてアルバムとしてリリースすることが多いですが、その逆ですね。アルバムを作った後にシングルカットしていくイメージ。8月は「Butterfly」、9月は「タイムマシン」、10月は「SLAPS」、11月は「Never Turn Around」というように、SNSを通して曲を聴いていただける機会を作っていくつもりです。



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